用語集

ニューロマンスシティ

通称『シティ』。多国籍企業『マカタ・コーポレーション』の下、数十年の間で驚異的な拡大を拡げた独立都市。始めこそ小さな港湾都市だったものの今では様々な人種が集まるメガシティとなっている。各国の経済が崩壊しかかっている中で唯一まともな経済を保っている反面、犯罪率も非常に高く、シティでは銃規制が緩和されフルオート武器の所持は禁じられているものの拳銃の携帯が可能となった為、個人の自衛武装化が加速した。政治は形骸化、警察機能は存在するものの基本的にはM.S.Cが治安維持を行っている為、実質マカタの支配する街となっている。シティでの通貨単位は《新円(ニューエン)》

IDタグ

通称『タグ』。シティの住人の殆どが携帯、或いは体内に埋め込んでいるマイクロチップで個人情報や病歴など、様々な情報が集約されておりこれによって診察の合理化や身分証明書の携帯の簡略化などシティでの生活のあらゆる場所で必須となる物だが、タグには第1級、第2級、第3級とランク付けがされており、ランクによっては特定の区画への立ち入りが禁止されるなどの差別が表出する一端となっている。犯罪行為などを行う事によってランクの格下げ、或いはタグの停止という処罰が存在しており、タグを停止させられたりタグを持っていない者は犯罪者と見なされる場合が殆どである

ランク一覧

第1級市民(ファースト):市民全体の5%程度を占める階級。金満家や政治家、企業の重役等の支配者層の階級である

第2級市民(セカンド):市民の40%程が該当する階級。中間層。安定した収入を持ち、中には第1級へと手が届きそうな者もいる

第3級市民(サード):市民の50%程が該当する階級。等級外一歩手前から第2級手前までと幅広く、国を支える重要な労働力となっている反面、貧しい暮らしを余儀なくされている階級でもある

等級外市民(アンタッチャブル):市民の0.1%が該当する階級。所謂被差別階級で重犯罪者や重貧困者、『異民』と呼ばれる不法滞在の外国人などが該当する。街の外れにあるスラム《クラック》で暮らし、仕事を得る為に違法テックによる拡張や犯罪行為を行う者が多く、当然死者も多い

異民

内戦や恐慌などから国外へと衣食住や職を求めて流れ着いた人々。《シティ》ではビザの申請が許可されれば一定数の異民を受け入れるとしているが、学業や就労の機会などは非常に少なく、その殆どが不法滞在民として《クラック》に住み着いており、搾取の対象となっている場合が殆どである

テックウェア

通称『テック』。サイバネティクス技術の総称であり、四肢は勿論、眼球や心臓などの臓器、脳に至るまでほぼ総ての人体パーツが揃っている。《ニューロマンスシティ》では軍事・民間、違法・合法問わず存在しており、オシャレな外観やユニークな機能が備わったモデルまで様々なテックで溢れかえっている。テックを身体に付ける行為を一般に『移植(インプラント)』と呼び、過剰に戦闘用テックウェアを移植した者は『オーバード(過剰拡張者)』と呼称され、区画間の移動の制限や行政への届け出の義務化など様々な不利益を被る事がある。法整備が進んだ現在では15歳未満の小児への移植は医療的処置としての使用以外は原則禁止されているが、等級外市民の中にはそれらを承知で移植を受ける者もいる

マカタ・コーポレーション

通称『コーポ』。企業家『麻賀多 敦彦(マカタ アツヒコ)』がCEOを勤める多国籍企業。軍需産業からサイバー技術まで様々な業界に進出しているマンモス企業であり実質的なシティの支配者。その大きさに比例するように黒い噂も絶えず存在しており、シティの端々で囁かれる陰謀論で出ない事は無いほどである



新円《ニューエン》

シティで通用する唯一の通貨。通貨記号はN\。紙幣や硬貨としても発行されているがIDタグと紐付ける電子マネーが一般的で紙幣での取引は主に下層区画や廃棄区画でのみ行われている。流通しているのは、1、5、10、100、500、1000、2000、5000、10000

M.S.C

『Makata Security Company』。マカタ・コーポレーションが運営する民間警備会社で警察からの部分委託という形で治安維持業務を行っているが、逮捕権を有しているなど殆ど警察のサービスを代行している上、銃火器の装備を必須としているなどかなり軍事的組織としての側面が強く、第三級以下の市民への高圧的な態度などからマカタと富裕層の為の私兵組織と位置づけられている

レジスタンス

《オーダーズ》を名乗る革命組織。『イヴェンジャリスト(伝道者)』を自称する人物がトップである事以外は正確な人数などは把握されていないが、【打倒マカタ】を掲げ政府機関への爆破テロや要人暗殺未遂など様々な反政府活動を行っている為、世間ではテロ組織という認識が一般的でM.S.Cやマカタは彼らの動向に目を光らせている。基本的な活動としてはマカタやM.S.Cに潜入ている者や協力者との接触や情報収集、活動資金を得る為の合法・非合法な活動を行っている

ギャング

シティに蔓延る悪徳の衆。《ニューロマンスシティ》では大小様々なギャング、犯罪組織が存在しており、場所によってはM.S.Cですらその正確な数を把握する事は不可能で、そのお陰でブラックマーケットは隆盛を極め、結果として抗争で血を見ない時は無い。現状最大規模とされているギャングが3つあり、彼らは纏めて【ビッグ・スリー】と呼ばれている

ビッグ・スリー

BIG・THREE

《カットスロート》『シティ最狂のギャング』と称されるギャング集団。廃棄区画(クラック)を中心に下層区画(ワース)の大半を縄張りとし、異常に好戦的で日常的な殺人や粗悪ドラッグの売買などの活動が主でその危険性からM.S.Cすら迂闊に手が出せない状態になっている。自らナイフによって傷を作りチームの名を彫る入団の儀式が存在するとされ、彼らの犠牲者もその死後、或いは生きたまま同様のタトゥーを彫る事で自身の力を誇示する習慣がある

《カポネ・ファミリー》ヨーロッパ移民を中心に結成されたギャング集団。首領である「ドン・ジョエル・カポネ」は中央区画(セントラル)内の麻薬や下層区画(ワース)の港湾事業の一部を掌握しており、貿易等で活動資金を稼いでいる。『古き良き時代の継承者』を自称しており、上層部は高級区画(ロイヤリティ)に住んでいるという噂が立つ程には金満家であるが、組織の末端は暴力性の高いグループである事には変わりは無く、他のビッグ・スリーのメンバーと日夜抗争に明け暮れている

《双龍会》日本のヤクザとチャイニーズマフィアによる合同組織。花街の運営と違法テックの管理を主な活動資金にしており、中央区画(セントラル)の性風俗やテックウェアの流通を牛耳っている。独特の作法によって同じ組織の人間を見分けるなど独自のルールが存在している。一説にはマカタの誘致を行ったのが双龍会4代目だと言われており、それによってM.S.Cのマークから逃れているという噂もある

Armitech《アーミテック》

ヨーロッパに拠点を置く軍需企業。銃器本体以外にもカスタムパーツなども多く販売しており、かつては米国やヨーロッパの各軍へ兵器の納入や新兵器研究を共同で行っていたなど軍閥との関係が強かった為、アメリカなどではマカタの兵器部門である『W.W.C(Watanabe Wepon Company)』とシェアを競う程人気である

天穹《ティエンチョン》

中国及び東南アジア、アフリカ周辺で勢力を増している華僑を中心とした企業。銃火器以外に時代に逆行するように近接武器を多く開発しているが、軍事訓練が不十分だったりクーデターによる国家転覆が危ぶまれる国では銃火器よりも制御しやすく武装化しても一定以上の危険性を持たない近接武器に需要がある為、企業戦略としては非常に成功しており上記の国を中心に隆盛を極めている